まぐれノベルズ その4 〜哀川 章〜 

 


俺はやっと出来た友達を心の中どこかで疑いながらも、バンド活動は続いた。 


昨日また僕が 白い目で見た夢は 
この広い空と 君との話だよ 

いつかは君と本当の空を 
飛べたらなぁって、それだけさ 



僕はギターを弾いて うたって 
弾いて、うたって。 

その時誰に対する汚い気持ちなど湧いてこなかったのだ。 

8月の終わりに結成した名も無いバンドは、 
2002年を無事に終えようとしている。 
僕らは12月に一回一緒に飲んで、そしてしばらくの休止だ。 

次の練習は確か、1月8日だった。 


ところで俺にはその頃彼女がいた。 
彼女は東京に住んでいた。 
クリスマスを過ぎた頃から俺の会社は9連休。 
俺は金曜に新幹線に乗って渋谷へ着いた。 
途中ドラムの男から飲みの誘いをもらったが、 
俺は今東京の彼女の所へ向かうということで断った。 

あの時はクラブエイジアでジョセフナッシングを観たっけ。 

それから中央線の始発で国分寺へ行き、乗り継いで鷹の台へ着いた。 

本当に充実した9連休を過ごした。 
年越しは西武園で何故か悪役商会のイベントへ。 

いや、そんなことは今はどうでもいいか。 

俺は好きな人と好きなだけ一緒にいて、幸せを感じていた。 

そんな楽しい時間もやがて終わり、 
俺は半泣きになりながら池袋駅、高速バスに乗り込んだ。 
いろいろあったことを思い出してニヤニヤしたり、 
たまらず彼女にメールしてしまったり。 
俺はまた2003年を頑張って生きていこうと思ったのだ。 

大雪が降る新潟へ辿り着き、 
俺はとうとうアパートまで戻ってきた。 

悲劇は待っていた。

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